2013年6月19日水曜日

COLM試験

高齢高血圧患者に対するARB+CCB 対 ARB+利尿薬、有効性は同等

心血管イベントのリスクが高い高齢高血圧患者に対する降圧薬併用療法として、ARBに他剤を併用する場合、CCBと少量の利尿薬ではどちらがよいかを比較検討するランダム化比較試験、COLM試験の結果が明らかになった。
主要評価項目である複合心血管イベントのリスクは、両群で同等だった。
イタリア・ミラノで6月17日まで開催されていた欧州高血圧学会(ESH2013)で、森ノ宮医療大学学長の荻原俊男氏が発表した。
■75歳で層別して各イベントのリスクを見たところ、致死的および非致死的脳卒中においては、75歳以上でCCB併用群のリスクが低い傾向にあり、年齢との間に有意な交互作用を認めた。
■また、重篤な有害事象の発生はCCB併用群が8.2%、利尿薬併用群が9.8%、薬剤に関連した重篤な副作用による脱落率は0.2%対0.6%と、両群ともCCB併用群で有意に少なかった。

■主要評価項目である心血管イベントのリスクは、両群で同等に減少した。

また層別解析から、75歳以上における脳卒中についてはCCB併用の方がリスク減少の点で有利とも考えられた。
副次評価項目の1つである安全性と認容性の評価からは、心血管イベントのリスクが高い高齢高血圧患者に対し てはCCB併用の方が好ましい可能性がある。

出典  NM online 2013.6.18
版権 日経BP社


http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/all/gakkai/esh2013/201306/531152.html?ref=RL2

2013年6月11日火曜日

ラクナ梗塞予防のための血圧目標値は<130mmHg

ラクナ梗塞患者の二次予防目的とした血圧目標値は<130mmHgが有益:SPS3/Lancet 
http://www.carenet.com/news/journal/carenet/35133
カナダ・ブリティッシュコロンビア大学のOscar R Benavente氏らがSecondary Prevention of Small Subcortical Strokes(SPS3)試験の結果を発表した。
内容は、 「ラクナ梗塞を最近(180日以内)発症した患者に対し、収縮期血圧目標値130mmHg未満とする血圧コントロールは有益であり支持される」という内容。

<参考サイト>
「脳卒中再発予防のためには収縮期血圧130mmHg未満」を支持する結果(コメンテーター:桑島 巌 氏)-CLEAR! ジャーナル四天王(105)より-
http://www.carenet.com/news/clear/journal/35165
■「脳卒中再発抑制のためには収縮期血圧130mmHg未満のより厳格な降圧が望ましい」




        http://watercolor.hix05.com/artist/Dufy/dufy.html

2013年6月3日月曜日

頸動脈エコー

■頸動脈エコーが捉える動脈壁・・・高エコー層・低エコー層・高エコー層の3層構造として観察される。

■この3層構造の内腔側2層分の厚みが,病理学的な内膜組織と中膜組織を合わせた厚みと一致することを報告。(Pignoli, et al   Circulation 1986; 74: 1399)

■IMTが0.1mm増加するごとに心血管イベントの発生リスクは1.12~1.17倍に高まる。
         (Lorenz et al  Circulation 2007; 115: 459)

■IMTは経年的な増加が少ないほど予後が良好である。

■IMTの経年変化量はせいぜい数10μm程度であり,一般臨床の場で正確に測定し,追跡できるレベルの変化ではない。

■一般臨床での有用性・・・「既知の危険因子だけでは絞り込めないリスクの程度を絞り込み,テーラーメードの治療法を決定するとき」

■質的な異常,すなわちプラークの脆弱性にも注意することが重要。

■脆弱で不安定なlipid richなプラークや内部に出血巣を有するプラークは,エコーではいずれも低輝度のプラークとして描出される。こうした「黒いプラーク」が見出された場合は,必要なら脳外科に紹介して脳梗塞の検査を勧める。


参考
MTPro 2010.3.25
http://mtpro.medical-tribune.co.jp/mtnews/2010/M43121071/