2013年2月13日水曜日

頸動脈プラーク内出血リスクの血圧指標


どの血圧指標が頸動脈プラーク内出血リスクとなるか:ロッテルダム研究
オランダ・エラスムス医療センターのMariana Selwaness氏らは、前向き住民ベースコホート研究であるロッテルダム研究のデータを解析し、脈圧が頸動脈におけるプラーク内出血(IPH)の存在を示す最も強い血圧指標であることを明らかにしたIPHは脳梗塞と関連するアテローム性動脈硬化の特徴であるが、これまでその決定因子は判明していなかった。
報告者らは「拍動流とIPHとの関連は、不安定プラーク(vulnerable plaque)の発現に関する新しい知見をもたらす可能性がある」としている。
■本研究は、MRIで評価した頸動脈プラーク内出血の最も強い血圧関連規定因子が、脈圧であることを示した高血圧性血管障害の病態生理を考える上で重要な論文である。
■本研究で、プラーク内の出血は頸動脈プラークの25%程度と高頻度に見られている。
これまでの研究では、頸動脈プラーク内の出血の存在は、不安定なハイリスクプラークを意味し、より脳血管疾患のリスクが高いことが報告されている。

■本研究では、血行動態の拍動性血圧成分である脈圧が、収縮期血圧や拡張期血圧、平均血圧などの絶対値よりも強いプラーク内出血の規定因子となった。

■つまり、本成績を説明する機序としては、脈圧による血圧の拍動成分や、さらに付随する血流の拍動による「ずり応力」が、既に存在する頸動脈プラークにメカニカルストレスをかけて、プラークを不安化させ、その内部に出血を生じさせたと考えられる。
([監修] 自治医科大学 循環器内科 教授 苅尾七臣)


<私的コメント>
脈圧に関しては論文の内容から年齢補正がしてある。
しかし、脈圧の増加が動脈硬化、特にstiffnessと関連していると考えるなら、この結果は当然ともいえる。
すなわち原因なのか結果なのかも分からないことになる。

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