ワルファリン+アスピリン併用の心房細動患者、脳梗塞は減少せず大出血が増加
心房細動患者の大規模国内レジストリーであるJ-RHYTHMの登録者を対象とした新たな研究で、心房細動患者に対する抗血栓治療においてワルファリンとアスピリンを併用した症例では、脳梗塞は減少せず、大出血のリスクが増加していることが明らかになった。
藤田保健衛生大学循環器内科のグループが、3月17日まで横浜で開催されていた第77回日本循環器学会(JCS2013)で発表した。
■演者らは、J-RHYTHMに登録された7101例のうち、ワルファリン単剤投与群(5388例)、アスピリン単剤投与群(475例)、ワルファリン+アスピリン併用群(1101例)を比較した。
■演者らは、J-RHYTHMに登録された7101例のうち、ワルファリン単剤投与群(5388例)、アスピリン単剤投与群(475例)、ワルファリン+アスピリン併用群(1101例)を比較した。
平均観察期間は2年間だった。
■結論; 心房細動患者に対するワルファリンとアスピリンの併用群は、ワルファリン単独療法群に比べ、脳梗塞イベントが減らず、大出血と全死亡のリスクが増加していた。
■結論; 心房細動患者に対するワルファリンとアスピリンの併用群は、ワルファリン単独療法群に比べ、脳梗塞イベントが減らず、大出血と全死亡のリスクが増加していた。
大出血リスク増加に対しては、出血の既往が特に関連が強かった。
<私的コメント>
私はしばしば、こういった症例に併用療法を行っていました。
脳梗塞の既往は、ワルファリン群が13%、アスピリン群が7%、併用群が27%。冠動脈疾患の有病率はそれぞれ4%、10%、29%。CHADS2スコアはワルファリン群が1.6±1.2、アスピリン群が1.3±1.2、併用群が2.2±1.3だった。
J-RHYTHMに登録された7101例のうち、ワルファリン単剤投与群(5388例)、アスピリン単剤投与群(475例)、ワルファリン+アスピリン併用群(1101例)
脳梗塞の既往は、ワルファリン群が13%、アスピリン群が7%、併用群が27%。冠動脈疾患の有病率はそれぞれ4%、10%、29%。CHADS2スコアはワルファリン群が1.6±1.2、アスピリン群が1.3±1.2、併用群が2.2±1.3だった。
脳梗塞、大出血、全死亡の各イベント別に、ワルファリン群に対するアスピリン群、併用群のハザード比上昇に関連した有意な予測因子について検討した。
アスピリン群における脳梗塞のハザード比上昇の有意な予測因子は男性と低体重、全死亡のハザード比上昇の有意な予測因子は男性、低体重、貧血、永続性心房細動だった。同様に、併用群における大出血については出血の既往、全死亡については、男性、貧血、永続性心房細動の既往が有意な予測因子だった。
CHADS2スコアの上昇は、ワルファリン群に対するアスピリン群、併用群の、すべてのイベントリスク増加の有意な予測因子となっていた。
0 件のコメント:
コメントを投稿