コレステロール「過剰摂取心配ない」…米報告書
■摂り過ぎると健康によくないとされてきた食品のコレステロールについて、米政府の諮問委員会は「過剰摂取を心配する必要はない」とする報告書をまとめた。
■米政府は今年中に食生活指針を改定するが、1日300ミリ・グラム以下という摂取量の目安が撤廃される可能性がある。
■これまで、卵やエビなどコレステロールが多いものを食べ過ぎると、血中のコレステロールが増えて動脈硬化を引き起こし、心筋梗塞や脳卒中などの病気につながるとされてきたが、米保健福祉省と農務省の食生活指針諮問委員会が、コレステロール摂取量と血中コレステロールの関係を調べたところ、両者の関連性を示す証拠はなかったという。
私的コメント;
食事性のコレステロールに関して、厚労省は「日本人の食事摂取基準」2015年版で、「コレステロールの摂取量は低めに抑えることが好ましいものと考えられるものの、目標量を算定するのに十分な科学的根拠が得られなかったため、目標量の算定は控えた。ただし、コレステロールは動物性たんぱく質が多く含まれる食品に含まれるため、コレステロール摂取量を制限するとたんぱく質不足を生じ、特に高齢者において低栄養を生じる可能性があるので注意が必要である」 としている。
(日本動脈硬化学会のGLでは、食事性コレステロール摂取制限のため、卵黄の摂取制限を記載)
2013年11月に出された、ACC/AHAの「心血管疾患リスク低減のための生活習慣マネジメントのガイドライン」には、「LDL-Cを低下させるために飽和脂肪酸エネルギー比を5~6%となるような食事パターンをめざす」と記載されている。
このように、これからはコレステロールではなく飽和脂肪酸(および不飽和脂肪酸)の摂取量で食事ガイドラインが論じられるようです。
(日本動脈硬化学会のGLでは、食事性コレステロール摂取制限のため、卵黄の摂取制限を記載)